人民元の通貨制度は、完全な公定レートからドル本位の管理変動相場制(ドルペッグ)へ、そして通貨バスケットの管理変動相場制と変化してきた。

人民元切り上げ問題のまとめ

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■人民元切り上げ問題のまとめ
人民元の通貨制度は、完全な公定レートからドル本位の管理変動相場制(ドルペッグ)へ、そして通貨バスケットの管理変動相場制と変化してきた。
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中華人民共和国の通貨制度

人民元の通貨制度は、完全な公定レートからドル本位の管理変動相場制(ドルペッグ)へ、そして通貨バスケットの管理変動相場制と変化してきました。

前のページで解説したとおり、建国当初の人民元レートは、完全な中国当局の管理下にありました。建国当初はドル立てでの決済の必要も無かったのか、これらが実質的な意味を持つことはあまりなく、切り上げ・切り下げの質問もありませんでした。

けれどもやはり建国当初の2.42元というのは、実勢価格からするとかなり無茶であったのか、どんどん切り下げられて、現在では8元台になっています。これが将来の切り上げになったとしても5元代でかなりの切り上げというわけですから、最初のころのレートというのは、経済的にあまり意味が無かったといってもいいかも知れません。

やはり国際的な貿易関係が少なく、ドルでの決済の必要が無く、したがってドルに対する元のレートが、中国の見栄や思惑で決定されても、影響があまり無く、各国も気にしなかったということでしょう。

人民元が48年に誕生してから、毛沢東の死後にの改革・開放路線の78年まで、ドルの金本位制度が廃止されたり、ドルの固定相場制が開始されて廃止されたり、といろいろな出来事がありましたが、ドル・人民元のレートはある意味ほのぼのとマイペースで上がったり下がったりしていました。(中国そのものは戦争をいくつも経験して大変でしたが)


78年、文化大革命もようやく終わった中国が前述のように改革・開放路線を取るようになると、徐々に貿易量が増加、それに伴い、決済通貨として使われるドルの余剰量も増えて(というより中国企業への外貨保持が許されるようになった)、それらを人民元に変えることによって、中国国内での人民元・ドル市場レートが生まれました。

これは、中国企業同士での人民元・米ドルの交換レートで、じつは公定レートとは違うものでした。

これは元高・ドル安を生み、最高では85年の1.5元まで行きました。

このころから、アメリカの高金利政策が始まり、世界の資金がドルに流れるようになりました。預金するなら、利率の高いところを探すのと同じですね。

一方で改革・開放路線も軌道にのって、中国政府は人民元安の政策を推進することになりました。

あとは人民元は下がる一方です。なぜなら、人民元が安ければ安いほど、世界の国々が、中国から物を買ってくれるから。

94年に、中国は管理変動相場制への以降を行います。

これは、いままで中国企業同士で行ってきたいわば「私」の市場での取引を、中国が認可するということでした。いままでは、政府の決めた非現実なレートと、国際市場での実際の人民元の強さを反映した企業間での交換レートが存在したのを、より市場価格に近い形で統一しようということでした。

もちろん、自由な変動相場制では無く、外貨取引を一定の銀行に認め、かつ中国人民銀行が為替レートが政府の決定した範囲内に収まるように介入するという、管理変動相場制です。このときの管理変動相場制での変動率というのは、ドルのみを基準にしていましたから、ウォンや円では上がったり下がったりが多少あったようです。

もっとも、ドル相手の為替レートの変動率は、実際に決められた範囲よりもかなり低く、かつ変動率そのものも変化が無く、実質的な固定相場制だったとも言われています。

けれども、中国の貿易赤字の増大、前のページでも開設した米国の構造的赤字の問題、欧州のEU統合とユーロ圏拡大にともなう問題などによって、2003年、ドバイでのG7会議によって、中国に向けた柔軟な為替政策の採用が要請されました。

これは、中国に向けての変動相場制への圧力でした。もちろん、現実的に、すぐに完全な変動相場制へ移行してしまったら、中国経済は混乱します。実質的には人民元の切り上げ要求でした。

これに答える形で、中国は2005年に人民元の2.5%切り上げ、さらには通貨バスケット制の採用と変動幅の増加を行いました。

いま、中国は着実に経済成長を続けています。その中で、2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博、2011年の辛亥革命100周年にあわせ、さらなる自由化=変動幅の増大=実質的な人民元の切り上げが予想されています。

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